神戸市灘、岩屋の隠れ家、フランス料理、ビストロトナリャオの小林です。http://www.tonaryao.com/
ある日の事、
「このキノコの付け合わせ、本当に美味しいですね!」
よくご来店いただいている婦人のお客様に言われました。
メインの魚料理にガルニチュール(付け合わせ野菜)としてるのですが、
「魚美味しいです~!じゃなくてキノコのほうですか?(苦笑)」
と返すと、
「魚焼くのとかソースはお店に来ないと食べれないけど、キノコのソテーだったら私にも出来るかなぁって」「前に来た時、キノコ食べて美味しかったから真似して家でもしたけど、こんな味にならないんですよ~(笑)」
・・・そりゃそうやん。同じように作れたら店に来てもらえんようになるし・・・(苦笑)
「どうやったらこんな味になるんですか?」
と婦人。
「あ~これはですねぇ~、始めにこうして、ああして、うんぬん、かんぬん・・・」と説明。
包み隠さず、至ってシンプルに説明しました。
あまりぐちゃぐちゃうんちくたれるのも鬱陶しいやろうから。
「分かりました!今度はそのようにやってみます!ありがとうございます!」
って笑顔で言って下さったが最後に私から、
「でも店のコンロと家庭用では火力が違いますよ~(笑)」
婦人、「・・・」
少しがっかりされてたので、いらんこと言わんかったら良かったかな・・・(苦笑)
後、よくお客様から、
「野菜が美味しいですね!特にサラダは新鮮でいいですね!」と言われます。
私は「そうでしょ~、素材が良いんで!ただこっちは切ってるだけです~(笑)」
って、やりとりしてます。
ただ、野菜は切ってるだけですけど少しだけ秘密があります。もし知りたい方はご来店の際に聞いて下さい。ちゃんと答えますから(笑)
トナリャオでは正直、私が食べたい料理、好きな料理、勿論美味しいと思う料理を普通に作っているだけです。
勤めていた時は料理コンクールに出たり、創作料理を作ったりした時もあります。
そのような料理には見た目、華やかさもサプライズ感もありお客様を楽しませる事が出来ます。
邪魔くさがりな私は、余り食材をいじくりたおすのが嫌なのと、出来上がった料理の食材の原形が何なのかわからない様にはしたくないのです。
カッコいい言い方をすると、素顔のままのカワイイ女性に少しだけ化粧をしてあげたり、服やアクセサリー、鞄などをプレゼントする感じで(笑)
せっかくのいい食材なのでそれを最大限活かそうとしたら普通に料理するのが一番やなと。
それと食材にストレスを与えないように。
オーダーが通ってから魚や肉を冷蔵庫から出してすぐ焼くと・・・
人間も嫌ですよね、寒い所からいきなりサウナに放り込まれたら・・・
だから食材が常温近くまで戻してから加熱するのでお時間をいただいております・・・(苦笑)
今トナリャオでの料理は他のプロの料理人が見たら大概の人が同じように作れると思う。
ただ、同じように・・・ですけど(笑)
見た感じ普通。
作り方教えてもらったら出来そう。
でも何故か同じようにならない。
こんな感じにお客様は思っているかも知れない。
トナリャオの料理とは・・・
一皿の料理の中に私の気合いと愛情をエッセンスとして入れています・・・(笑)